這い上がるぞ
あの事件から少しの時が経った。
傷は確実に癒えてきている。
しかし、いかんせんタネがない。次回の給料までだいたい1ヶ月。しかもそれが入ったところで、失ったゼニの支払いだとかクレカで使った分を埋めればほぼほぼ残らない。
まさに1歩下がって2歩下がる幸せは歩いてこない状態。
だが、不思議な事に僕はハイだ。
いい年こいたオッサンが1000円ちょっとしか持ってないのに。なぜだかオラわくわくっすぞと。
それは、諦めというかなんというか、もはや、ない袖は振れないという状況はなんとなくテンションが上がる。
とりあえず、待ち受けを美輪明宏にしてみた。
今、僕は前だけを見つめている。
そして、この状況を職場の仲間達に話した。ある者は「バカだな」と笑い、ある者は「タネ回してやろうか?」と心配してくれた。
その中である先輩が言った。
「そのうち転機が訪れるさ。流れは絶対にくるから。頑張って」と。彼は先月とある博打で2帯溶かしている。だからこそ、その言葉がやけに沁みた。
とりあえず、貯めに貯めていた記事の作成を進めている。なにせ、時間だけはある。博打が打てないのだからヒマでしょうがない。
飯は米と何か。そして酒は飲まなければならないから鏡月を水道水で割って飲んでいる。
流れよはやくこい。