そじ坊「鴨せいろそば&かつ丼」我慢のご褒美
所用で知立アピタへ。
ついでにパチンコを打ちたくなる。どうしようもなく打ちたくなる。今ならユニコーンで3万発スカッと刺さりそうな気がする。
いや、ダメでしょ。博打は引退したんだ。
だからこそ、我慢して良い飯を食う。パチで溶かすより何倍もマシだ。
選んだのはそば。
入り口に並んだそれからしてそこそこ高い。
僕はここで全力を出す。なにせパチを我慢したんだ。
鴨せいろそば&かつ丼。
純粋に旨い。そもそも、そばなんて普段食わないから余計に沁みる。そして、そばはおかわりした。かつ丼もきっちり平らげた。腹が重い。でも満足。
しかし、食っている時、昼飯の予算を軽く越えている罪悪感が効いていた。いくらパチを我慢したとはいえって話だ。
お会計、1880円。
パチで負けるより安いもんよ。
そう自身に言い聞かせるほかはなかった。
極つ庵「特製つけ麺」★★★★★
日曜日の昼。
どこも人でいっぱいだろうから、適当にすき家とかでいいや。そんな気持ちで車を走らせていれば、ふとラーメンの声が聞こえた。ちょうど、すぐそこに丸源がある。じゃあそこでいいか。
丸源は無難だ。実際、あえて丸源に行こうとは思わない。だが、そこにあったら「じゃあ丸源で」となる。
しかし、その駐車場に車を停めてみれば、目と鼻の先に香ばしい看板が見える。
それが、極つ庵。
その昔、凸したことがある。たしか、つけ麺を食った。ただそれだけの記憶しかない。記憶とは儚いものだ。味だとか当時の感想だとか、そういうのは一切覚えていない。人は忘れるから生きていけるんだからしょうがないよね。
どれ、ちょっと思い出を拾いにいきますか。
店内は日曜の昼飯時だというのに、そこそこ空いていた。だからこそ、券売機の前でじっくり悩む。おそらくだが、この店の売りはつけ麺な気がする。しかし、つい最近、つけ麺をフードファイトしたばかり。さすがに、ちょっと、出来れば、回避したいのが本音だった。
だが、ラーメンもちょっと違う。昨日、めちゃくちゃ旨い味噌ラーメンを食った。もうちょい余韻に浸りたい。
「じゃあ、なんで来たんだよ」
そんな突っ込みを心の中で呟いた後、「特製つけ麺」のボタンを静かに押した。ちなみに冷たいほう。正直、そこにこだわりはない。しいて言うなら上のほうにあったから。
カウンターの隅の席に案内される。
そう、やはり僕はいつも隅へと導かれる。おそらくそういう星の下に生まれたのだろう。店員さんへ券を渡し、しばらく待った後、到着。
さすが、1100円もするだけの事はある。チャーシューが2種類、しかも片方はきっちり炙ってあって大好物なやつ。それに、煮卵まで。さすが、1100円もするだけの事はある。
とりあえず、スープの上に浮いた粉を溶かしすすってみる。
うん、魚介魚介していない。なにより、あんま粉っぽくない。まろやかで濃厚。そしてお上品ささえも感じる。
麺を投入。ズルズル啜り頬張れば、その歯切れの良さに気付く。あえてコシをなくしているのか?ものすごく、独特な食感だった。ただ、この麺が妙に旨い。素朴で上品な貴婦人といったところ。塩アメじゃなくてバームロールをくれるような。特に、スープに絡め炙ったチャーシューと共に頬張った時のあの味は思い出してもよだれがでる。
そして、気付けば完食。それこそ、食の「本望」というやつ。
旨かった。ごちそうさまでした。
極つ庵
特製つけ麺 1100円
トータル ★★★★★
麺やOK「こくうま味噌」★★★★★
こんな旨い味噌ラーメンを食ったのはいつぶりだろう。
きっかけは、知人の紹介だった。その人はラーメン通を自称しており、「じゃあNo.1はどこ?」という僕の質問の答えがこのお店だった。
ググってお店へ向かえば、長屋調の家屋がそこに。たしかに通好みな佇まいだった。初見でなにも知らなければ、その暖簾をくぐるには勇気が必要だろう。
僕は昼時を少し外して凸した。
しかしそれでも、店内はお客さんがいっぱいだった。子供連れから玄人風味なおじさんまで客層が幅広かった。それをして、やはり良店なんだろうなと思った。
僕はカウンターの隅に着席。そこに座ったことにより、カウンターはおじさんで埋まった。しかし、やはり初めてのこういう店はちょっと緊張する。
そして、メニュー表をザッと見て思う。
ここを紹介してくれた知人におすすめのラーメンを聞いていなかった。
だからこそ、ここは直感で行くしかない。
選択肢は2つ。味噌か煮干しか。
ちなみに、味噌には「一番人気」が冠されている。たしかにその言葉は裏切らないだろう。だが、煮干しも捨てがたい。うん、どうしよう。
そんな時、隣の紳士にラーメンが届く。それは煮干しの「にぼっしー」。なにより、彼から常連のオーラが漂っているような気がした。
やはり、常連についていくのがセオリーか。よし、煮干しだ。煮干しでいこうにぼっしー。
「すみません…」
カウンター越しの店員さんに声をかけた
その時だった。
ふと、味噌でいいやと思った。理由はわからない。しいて言うなら本能的な何かがそうさせたのかもしれない。
そして、登場。
れんげでスープを一掬いすればひき肉もそこに混ざってくる。それを一気にいった。
熱い。しかし…
(うまっ…)
ついつい心の声が漏れた。その名前の通り、こくがあってうまい。なにより、具材にもきっちり味が付いていて旨味が存分に引き出されている。
そして、麺をすする。縮れた中麺だろうか?むしろ、その麺自体もちょっと独特な風味がある。信じられない。これほどまでに主張バチバチなスープにおいても、麺もきっちり生きている。
僕は無我夢中で貪った。その道中、大盛でもよかったんじゃないかという後悔に襲われる。だからこそ、気付けば最後の一滴まで飲み干すこととなった。足りないくらいがちょうどいいとは言うが、このラーメンに関しては腹いっぱい食いたい。
こんな旨い味噌ラーメンを食ったのはいつぶりだろう
そんな感想を心の中で呟きながらお店を後にした。
きっとまた必ず、僕は戻ってくる。
「麺やOK」
こくうま味噌 並 880円
トータル ★★★★★
三田製麺所
昼下がり、なんとなくつけ麺を食いたくなってこの店を思い出した。安警の隣、出来れば近付きたくはない場所にある。別に悪いことなどしていないが、パトカーを見てちょっと嫌な気持ちになるのと同じ事だ。
注文はタッチパネルだった。いつの間にか、人と人とのコミュニケーションは少なくなっていく。それが時代の流れなのか。
背脂つけ麺 Aランチ
大 ひやもり
1210円。
オーソドックスな濃い魚介の粉っぽいスープに定番の太麺。一口目は抜群に旨い。しかし、それ以降は(大)を注文した事を後悔した。多い。多すぎる。
並でよかった。
トータル ★★★
11月を振り返って
実際、11月は前半の勝ちが効いていて傷はいうほど深くない。しかし、なんやかんやで手元に残ったタマを回すという博打は「カネがほしい勝ちたい」に執着しすぎてけっこうな無理をしてしまった。焦ってたんだな。それが勝負事において、最も忌むべき感情だということはわかっている。しかし、それでも過ちを繰り返すのが僕だった。12月という年の瀬を楽しく過ごしたかったんだもん。仕方ないよ。素寒貧で過ごすことが確定した12月。今の僕に打つタマはもうない。だから、しばらく博打はお休み。また来年あたりにでもやるさ。それでは皆様、よいお年を。
R4.11.30(水)バカラ~大2本溶かすまで~
やらかした。
バカラ -59910
競艇 -20000
終わった。
11/25(金) +4750
11/26(土) -21865
11/28(月) -6900
11/29(火) +9940
11/30(水) -79910
11月トータル -93985
R4.11.29(火)反省
バカラ +4690
ただ、今日は辛かった。スタートから外しまくってずっとマイナス域での闘いだった。とりあえず1000BET倍プッシュと逆張りでなんとか戻したけれども、こんなことやってたらそのうち溶かす。反省。
休憩して再燃。反省を活かして。
バカラ +5250
※前回の分も合算されてる
11/25(金) +4750
11/26(土) -21865
11/28(月) -6900
11/29(火) +9940
R4.11.28(月)二日酔いのそれ
朝方、飲みに出てカラオケで寝落ち。
その脚でパチンコへ。
エヴァ -10000
帰宅してバカラ
+3100
アジエスいく。
11/25(金) +4750
11/26(土) -21865
11/28(木) -6900
R4.11.26(土)さらば大二本
酒を飲んでめくった結果。
口座に残ったラスト3000円で競艇。
おいー
バカラ-20540
競艇-3000
11/26 -21865
11/25(金) +4750
11/26(土) -21865
R4.11.25(金)バカラ~大2本溶かすまで~
ギャンブルに関する日記をつけようと思った。
いつまで続くかわからないが、とりあえずやってみようの精神。
昨日、Twitterを流してたらバカラで稼いでる人を見つけた。それで思い出した。僕もバカラは得意だと。しかし、オンカジはいつでもどこでも触っちゃうから封印してたんだよね。例えばコンビニでタバコ買った後すぐに(タバコ賃浮かせなきゃ)みたいな感じでサクッとやっちゃう。それでチンチンになって全溶かしするみたいな。コンビニの駐車場で大10本とか溶かすと死にたくなる。
ただ、名古屋によくあるカチカチ店ではかなり稼がせてもらった。実際、とあるグループで勝ち禁にもなった。それをキッカケに行かなくなった。なにより、ずっと寒いし。
そう、だからオンカジでちゃんとバカラやれば勝てそうなんだよ。
大切なのは自分との闘い。熱くならず冷静に立ち回れば勝てるんだって。それに僕は上手いからさ、バカラ。
しかし感情のコントロール、これが一番難しい。すぐもう、チンチンに焼けちゃうんだもの。今日負けた分は今日取り返して明日へ進みたくなる。
これが課題だな。
そんなこんなで封印してきたバカラをルール設けてオンカジでやっていきたい。
そして、熱くなるな。僕よ。
11/25(金) バカラ+5325
バイト初日
指定された場所はビジネスホテルだった。
近くのコインパーキングに車を停め、心を落ち着かせる。
なにせバイトなんてかなり久しぶりだ。そりゃ多少なりとも緊張する。新しい職場、新しい仕事、新しい上司、そして新しい仲間が僕を待っている。
はたして僕はちゃんと仕事をやれるのか?ちゃんとコミュニケーションをとれるのか?
タバコを2本吸った。味はしなかった。
そして、約束の時5分前。いざ出陣。
服装はなんでもよいと言われたからオーソドックスな作業着をチョイスした。昔工場でバイトしていた時のやつだ。やはり作業着の汎用性は高い。まあ若干、鉄くさいのはご愛敬。
ホテルへ入るとフロントに若いお兄さん。
やあ、新しい仲間。もちろん僕は先手をとる。
「おはようございます。今日からお世話にな」
「あ、こっちからではなく裏から入ってください」
いきなり洗練。
年端もいかぬ若造に45組扱いされる作業着のオッサンは僕だ。
それを笑顔で切り返し「わかりました」と外へ出た。そして、担当者へ連絡。しばし待たれよとの事だった。
小さいおばちゃんがやってきた。
すかさず、元気に挨拶をする。
「今日からお世話になります!よろしくお願いします!!」
「あー、どうもよろしくね!」
彼女のその風貌は、あからさまに掃除オババだった。僕は敬意を込めて彼女を【オババ】と心の中で呼んだ。
裏口からホテル内へ侵入。
階段を上がり、シーツやら備品が置いてある倉庫へと入る。そこには2人のマダム。挨拶するも、そのレスポンスはどうもそっけない。まあ、あれか。入れ替わりが激しい職場あるあるの対応ってやつか。そんな死んだ魚のような眼で僕を見ないでくれ。頑張るから。
オババからタイムカードやらなんやらの説明を受ける。
ここで僕は察した。
このオババが僕の指導係、つまり師匠。
「掃除は好きかい?」
オババはふいに聞いてくる。
「ええ、好きです!」
そう咄嗟に答えたがそれはブラフだった。正直、掃除は嫌いだ。出来ればやりたくないし散らかっているほうが落ち着くまである。
しかし、ここで本音を述べてもマイナスでしかない。
これから掃除の仕事をする男が「掃除嫌いです!」とか言ってもただ寒いだけだ。
タイムカードをあの機械に差し込み就業開始が刻印される。さあ頑張るぞ。
オババと共に現場へ向かう。その部屋の前にはシーツやらなんやらの白い布がもりもりに乗った台車が置かれていた。
「一通りの流れをやるから見ててね」
そう語る師の背中は頼もしかった。
その部屋は客がチェックアウトした後のシングルルーム。ベッドはくちゃくちゃ、テーブルの上にはゴミが散らかり、お風呂場はびちゃびちゃでタオルがぐしゃぐしゃ。人の臭いがした。
「まずはゴミを回収して…」
彼女は説明しながら、かなりスピーディーにテキパキと片付けていった。僕はその様子を眺めながら、その行程をメモにとる。
しかしオババの動きと説明が早すぎてメモが追い付かない。
ベッドメイキングあたりで、メモをとるのは諦めた。
僕はオババをボンヤリと眺めていた。まるでYouTubeでパチスロ動画を観ているが如く。
そんな僕に彼女は喝を飛ばす。
「ほら!こっちきて、ちゃんと見て!」
やはりスイッチが入っているのであろう。荒々しい口調、デカい声はまさに職人の姿。いつしかオババは前に掃除した人の仕事にまでケチをつけ始める始末。
「こことか前の人がやってないのよ!ったく!」
「ほらこれ、こういうのダメなんだって!」
へえーとしか言いようがなかった。僕の心はそんなん言われても知らんがな。
そして、喚きちらしながらもあっという間に部屋は綺麗になった。
「だいたいこんな感じ。どう?」
ーーーどう?
そんなドヤ顔で言われても、答えに困る質問だった。
とりあえず「すごいっすね」と。
「次いくよ!」
隣の部屋へ移動。その入り口でオババは言った。
「じゃあ次はやってみて。見とくから。」
青天の霹靂、放り出された大海原、右も左もわからない。
最初なにやってたってけ?ゴミ?ゴミ片付けるの?シーツとかってどのタイミングで?あれ?え?
僕はとりあえず、机の上に置いてあったコーラのペットボトルを持ってうろうろした。
「あんた何をしたいの!ゴミ全部片付ける!ゴミ!」
くう…
やはりオババは厳しかった。
ゴミを全て片付けた後、さっき書いたメモを取り出す。しかし、なんて書いてあるかわからない。
ーーーあんたは何を見てたのか?何をしたいの?わからないならすぐに聞いて。
そんなオババの叱咤の中、なんとかこの部屋の掃除を終わらせ次の部屋に移動。
「じゃあ口出ししないから1人でやってみな」
え?もう?
しかし、そんな3部屋目で僕が仕事をこなせるわけもなくちょいちょいオババに確認しながら作業を進めた。
風呂場に使用済みのコップがあった。
あれ?これどうすんだっけ?
「これって?」
「スポンジで洗うんだよ!ちょっと貸してごらん!」
オババがカットインして、洗面台でコップを洗い始めた。ただ、僕は気付いていた。そのスポンジ、今浴槽や床を洗ったやつだと。
だが、僕は何も言わなかった。
「ほら、これでいいんだよ!って、これ違うスポンジじゃん!アンタこれでコップ洗ってたの!?」
「いや、洗ってないっすよ、それ風呂のやつっすよね」
「…ふーん」
「ええ」
この「ええ」はディスりでしかなかった。オババよ、あんたは間違ったんだ。ざまあ。
「まあいいや」
オババはそう言ってそのコップをそのままセットした。
(よくないでしょ)と心の中で突っ込みを入れるも、今の僕には彼女を止めることはできない。
そして、この部屋は8割方僕1人で掃除を終えた。
次の部屋へ移動。
「じゃあ、ここから1人でやっといて。わからない事あったら呼んでね。」
そう言ってオババはどこかに消えた。
なんとなく、ほっとした。
うるせえ奴がいなくなったのは嬉しいかぎり。
しかしこの時点で、この仕事の本質を理解しつつあった。
そう、【見えるとこだけを綺麗にすればいい】という本質。もちろんオババはそんな事は言っていないが実際にやってみるとそういう結論にたどり着く。
なにより求められるのは質よりスピード。
パッと見て綺麗ならそれでいい。
だからこそ、オババが最初に聞いてきた「掃除が好きか?」という問いは「嫌い」が正解。ほんとうに掃除が好きな人がこの仕事をやればストレスしか湧かないだろう。
掃除が嫌いでさっさと終わらせたいという人がこの仕事に向いている。つまり、うっすらとカビが生えた浴室のカーテンをスルーできるような、そんな甲斐性が必要とされる。
ベッドを組んでいる時だった。
どうもシーツの角を織り込むのが上手くいかない。もっとこう、シワなく、ピチッとやりたい。そんな思いで時間を費やしていると、
「いつまでそれやってるの!?」
振り向けば、オババがいた。
「上手くいかなくて…」
「そんなこだわらなくていいんだって!さっきみたいにやりゃいいよ!どれ、ちょっとどいて!!」
オババが実演してくれた。やはりその動きに無駄はなく、めちゃくちゃ綺麗に秒で仕上げていた。
だが、それはベッド四つ角の一辺のみ。唯一見える所だ。あとは見えないからクシャクシャでいい。
そう、これがこの仕事の真理。
そして、その部屋が終われば次の部屋。終わればまた次、次、次…。
僕の額には汗が流れていた。マジでしんどい。ベッドを動かしたり水回りを掃除したり常に動きっぱなしに加え、たまに注がれるオババの圧というか覇気がほんとうにうっとうしい。
ちなみに休憩などはない。
だからこそ、
水が飲みたい…。
ちょっと、ほんのちょっとでいい休憩させてくれ…。
そういう思いが生じてならなかった。
だがそれをオババに言えるはずがない。それこそまさに昭和生まれ体育会系育ちの僕がこれまでの人生で育んできた悲しき性。気合いと根性、そして我慢。無駄に耐えるその心はあの日の教師のグーパン。
アタマがくらくらしてきた。
そんな僕の異変にオババは気付いたか、
「ゆっくりやればいいから、落ち着いて」
とエールを飛ばす。
違う、違うんだオババ。そういうことじゃない。ちょっと、休憩させてくれ。水だよ。今僕がほしいのは水と休憩なんだよ。
だが、そんな事を言えるわけもなく黙々と仕事をこなす。
そして、その部屋の掃除を終わらせるとオババは言った。
「じゃあ道具片付けるよ」
「え、終わりっすか?」
「指示書見て。もうやるとこないでしょ」
「あー、なるほどね」
オババの発言は基本刺があってチクチクする。だからこそ、たまにタメ口を混ぜるのが僕にできる唯一のディスだった。
仕事道具を片付け、台車にシーツやらなんやらを補充しオババに言われるがままタイムカードに退勤を刻んだ。
「もう帰っていいよ、明日もよろしくね」
「うっす、お疲れっす」
僕はそれだけ言い残し、早歩きでホテルを後にした。とりあえず早く水を飲みたかった。コインパーキングまでの道中、路上の自販機でコーラを買った。それをそこで一気に飲み干す。
ただただ、沁みた。
こんな旨いコーラはいつぶりだろう。
労働の後のキンキンに冷えたコーラは絶望的に効く。
妙に清々しい気持ちになった。道端に咲いた花すらもついつい愛でてしまうほどに。
車に戻り、コインパーキングから出庫。
腹が減った。いつもの牛丼屋に立ち寄る。今日はより疲れたから景気が良い飯を食いたい。うな牛おしんこセット1050円。
それを食っていると、これだけでだいたい1時間分の稼ぎを溶かしていると痛感してしまった。
僕の中の【何か】が変わろうとしていた。
続く
【第8回】1万円チャレンジ~バイトの面接&パチンコ~
軍資金は1万円。
それ以上は賭場へは持っていかない。なぜなら僕はすぐに焼けて鉄火してしまうから。
僕は僕の事をよく知っている。
豆腐の意志にコンニャクのメンタル。
だからこそ、賭場へは財布を持っていかない。ポケットには万券1枚とタバコとスマホだけ。それでいい。それでいいんだ。
それに、ツキがある時は大1本で十分。
それこそが僕の勝ちパターン。
さあ、勝負だ。
バイト
バイトの面接に行ってきた。
なにより来月のタネを作らなければならない。もちろん、表のクリーンな仕事だ。タウンワークに載ってるようなやつ。
とりあえず、掃除の仕事っぽい。
久しぶりに履歴書を書いた。職歴なんか覚えてないからほぼほぼ適当に書いたすみません。
そして、髪も切った。ヒゲも剃った。
僕はさわやかな好青年に生まれ変わった。
しかし、面接をしてくれたマダムは存分に僕をビビらせてくれた。
「かなりキツい」
「3人に2人はすぐに辞める」
「2ヶ月で仕事できないようならクビ」
「大丈夫?できそう?」
「はい!!頑張りますっ!!!」
完璧だった。明るく元気にハキハキとした対応。
しかし、僕の心はたしかにビビっていた。
僕にこの仕事ができるのか?無能のレッテルを貼られクビなんてヤケ酒案件でしかない。
彼女は話の節目でことあるごとに「大丈夫?出来そう?」と聞いてきた。
僕の「頑張ります!」は徐々に弱っていき
終盤、軽く本音が漏れてしまう。
「やってみなければわかりませぬ。自信はないでござる」
それを彼女は見逃さずこう言った。
「1、2週間で辞められると困るんだわ」
しまった…と思った。
彼女は僕の覚悟を見ていたんだ。それなのに僕はうっかり本音を漏らしてしまった。
場が沈黙した。
ぶっちゃけ、ちょっと嫌になっていた。
空いた時間に軽く働くつもりだったからこそ、なんかバチバチに覚悟をもって挑むのはなんか違うんだよなあ。
(ちゃんとやれんのかな)
(ってかなんでこの人こんなにハードル上げてくるんだろ)
(え、なんかすげえ働きたくない)
(でもどこ行ってもって話だし…)
彼女が何か質問はありますか?と聞いてきた後、僕はさらに沈黙した。感情はネガティブになっている。こうなると質問どころかなにもない。
あ、そうだ。
「合否はいつわかりますか?」
その言葉の裏には出来れば不採用でいいやという思いがあった。それが一番ピースでハートフルで誰も傷付かない。
まあ、ご縁がなかったということで。そんな感じの事言ってこの部屋を出れればそれでいい。
「採用でいいですよ。明日から入れます?」
え
「あ…明日はちょっと、来週からなら…」
彼女は思ったかもしれない。おいおいさっきいつでも入れますとか言ってたのになんだよ。と。
いや、心の準備がいるじゃない。
「あ、ありがとうございます…」
「では来週からよろしくお願いします。あ、あと、もし、考えが変わって辞退される場合は連絡ください」
(辞退するのはなんか違うんだよなあ)
「わかりました。よろしくお願いします」
こうして、バイトが決まった。とりあえずやってみようの精神。たしかにビビってはいるが、背に腹は代えられない。
やるしかねえ。
散髪 -2000円
履歴書 -200円
証明写真 -600円
カミソリ -100円
パーキング代 -100円
バイト計 -3000円
パチンコ
面接の後、時間をもて余した僕は1万円を握りしめてパチ屋へ向かった。
なにせ今の僕には流れがある。
最近の連勝、バイトの採用、世の中が僕を中心に動いているような気がする。きっと、バナージも頷いてくれるはずだ。
いつものレバブル、先読みで。
投資4000円、突然の赤い彗星ゾーンからのVSフロンタル。先読み、レバブルなし。まあこれは余裕で外れた。
しかし、その直後に点滅保留+先読み。
保留変化と共に
ブルブル頂きました。
やっぱり流れキテるわ。
いや逝くでしょー
大丈夫。
ほら
ほらほら
え?
これが僕の骨だ。
いれてすぐイっちゃた・・・。
もう、帰ろっかな・・・。
源ライト打つか。
まあ残高の6000円だけ。それ溶かしても1500円は勝ち。溶ける気はせんけど。
そして、気付いたら僕はハナハナを叩いていた。
もはやチンチンになっている。
すごいね、新しいハナハナって。めっちゃバイブするし、大きいのでも200枚くらいしか出らんし。
だるっ!!!
【第8回】1万円チャレンジ
ユニコーン +7500円
源さんライト -10000円
ハナハナ -7000円
結果 -9500円
通算 8戦3勝5敗 -31400円
【第7回】1万円チャレンジ~麻雀~
軍資金は1万円。
それ以上は賭場へは持っていかない。なぜなら僕はすぐに焼けて鉄火してしまうから。
僕は僕の事をよく知っている。
豆腐の意志にコンニャクのメンタル。
だからこそ、賭場へは財布を持っていかない。ポケットには万券1枚とタバコとスマホだけ。それでいい。それでいいんだ。
それに、ツキがある時は大1本で十分。
それこそが僕の勝ちパターン。
さあ、勝負だ。
○麻雀
「お客さんと打つからきてよ」そう誘いを受け、僕はとある雀荘へ向かった。道中ずっと考えていた。また勝ってしまうのかと。
で、結果はプラス5千気持ち。
なによりテン5なのがしょっぱい。まあいいか。
やっぱ流れがキテる。
【第7回】1万円チャレンジ
結果 +5300円
通算 7戦3勝4敗 -21900円
【第6回】1万円チャレンジ~麻雀~
軍資金は1万円。
それ以上は賭場へは持っていかない。なぜなら僕はすぐに焼けて鉄火してしまうから。
僕は僕の事をよく知っている。
豆腐の意志にコンニャクのメンタル。
だからこそ、賭場へは財布を持っていかない。ポケットには万券1枚とタバコとスマホだけ。それでいい。それでいいんだ。
それに、ツキがある時は大1本で十分。
それこそが僕の勝ちパターン。
さあ、勝負だ。
○麻雀
メンツが足りないからと麻雀に誘われた。しかし、今の僕は場代すら払えない。だからこそ、ノータイムで断りを入れたわけだ。
しかし、彼はこう言った。
「大丈夫、俺がケツ拭くから」
僥倖。棚からぼた餅。
マジ?やるやるやる。
僕にスポンサーがついたわけだ。その代わり、浮き分はきっちり折半条件。まあいい、失うものは何もない。僕が負けても傷つかない。便所の窓から逃げなくてもいいんだ。
そして、結果はそこそこ勝った。
プラス2本ちょっと。ちなみにスポンサーはちょいマイナス。だからこそ、僕は1本だけ抜いて残りはすべて彼に渡した。
まあ、言うて気持ちの話だ。
ゼニのやりとりの話ではない。
翌日、僕の財布には1万と1千円があった。
久しぶりに、財布に万券入った。まあ言うて一週間ぶりか。
おかしな話だよ。これまでサクッと溶かしていた1万円が今となってはマジで重いんだから。
このお金は大切に使おう。
本気でそう思った。
天にかざしてみれば明るい未来が透けて見えた。
まさに希望のタネ。
すべてはここから始まる。
【第6回】1万円チャレンジ
結果 +10000円
通算 6戦2勝4敗 -27200円
這い上がるぞ
あの事件から少しの時が経った。
傷は確実に癒えてきている。
しかし、いかんせんタネがない。次回の給料までだいたい1ヶ月。しかもそれが入ったところで、失ったゼニの支払いだとかクレカで使った分を埋めればほぼほぼ残らない。
まさに1歩下がって2歩下がる幸せは歩いてこない状態。
だが、不思議な事に僕はハイだ。
いい年こいたオッサンが1000円ちょっとしか持ってないのに。なぜだかオラわくわくっすぞと。
それは、諦めというかなんというか、もはや、ない袖は振れないという状況はなんとなくテンションが上がる。
とりあえず、待ち受けを美輪明宏にしてみた。
今、僕は前だけを見つめている。
そして、この状況を職場の仲間達に話した。ある者は「バカだな」と笑い、ある者は「タネ回してやろうか?」と心配してくれた。
その中である先輩が言った。
「そのうち転機が訪れるさ。流れは絶対にくるから。頑張って」と。彼は先月とある博打で2帯溶かしている。だからこそ、その言葉がやけに沁みた。
とりあえず、貯めに貯めていた記事の作成を進めている。なにせ、時間だけはある。博打が打てないのだからヒマでしょうがない。
飯は米と何か。そして酒は飲まなければならないから鏡月を水道水で割って飲んでいる。
流れよはやくこい。