【第8回】1万円チャレンジ~バイトの面接&パチンコ~
軍資金は1万円。
それ以上は賭場へは持っていかない。なぜなら僕はすぐに焼けて鉄火してしまうから。
僕は僕の事をよく知っている。
豆腐の意志にコンニャクのメンタル。
だからこそ、賭場へは財布を持っていかない。ポケットには万券1枚とタバコとスマホだけ。それでいい。それでいいんだ。
それに、ツキがある時は大1本で十分。
それこそが僕の勝ちパターン。
さあ、勝負だ。
バイト
バイトの面接に行ってきた。
なにより来月のタネを作らなければならない。もちろん、表のクリーンな仕事だ。タウンワークに載ってるようなやつ。
とりあえず、掃除の仕事っぽい。
久しぶりに履歴書を書いた。職歴なんか覚えてないからほぼほぼ適当に書いたすみません。
そして、髪も切った。ヒゲも剃った。
僕はさわやかな好青年に生まれ変わった。
しかし、面接をしてくれたマダムは存分に僕をビビらせてくれた。
「かなりキツい」
「3人に2人はすぐに辞める」
「2ヶ月で仕事できないようならクビ」
「大丈夫?できそう?」
「はい!!頑張りますっ!!!」
完璧だった。明るく元気にハキハキとした対応。
しかし、僕の心はたしかにビビっていた。
僕にこの仕事ができるのか?無能のレッテルを貼られクビなんてヤケ酒案件でしかない。
彼女は話の節目でことあるごとに「大丈夫?出来そう?」と聞いてきた。
僕の「頑張ります!」は徐々に弱っていき
終盤、軽く本音が漏れてしまう。
「やってみなければわかりませぬ。自信はないでござる」
それを彼女は見逃さずこう言った。
「1、2週間で辞められると困るんだわ」
しまった…と思った。
彼女は僕の覚悟を見ていたんだ。それなのに僕はうっかり本音を漏らしてしまった。
場が沈黙した。
ぶっちゃけ、ちょっと嫌になっていた。
空いた時間に軽く働くつもりだったからこそ、なんかバチバチに覚悟をもって挑むのはなんか違うんだよなあ。
(ちゃんとやれんのかな)
(ってかなんでこの人こんなにハードル上げてくるんだろ)
(え、なんかすげえ働きたくない)
(でもどこ行ってもって話だし…)
彼女が何か質問はありますか?と聞いてきた後、僕はさらに沈黙した。感情はネガティブになっている。こうなると質問どころかなにもない。
あ、そうだ。
「合否はいつわかりますか?」
その言葉の裏には出来れば不採用でいいやという思いがあった。それが一番ピースでハートフルで誰も傷付かない。
まあ、ご縁がなかったということで。そんな感じの事言ってこの部屋を出れればそれでいい。
「採用でいいですよ。明日から入れます?」
え
「あ…明日はちょっと、来週からなら…」
彼女は思ったかもしれない。おいおいさっきいつでも入れますとか言ってたのになんだよ。と。
いや、心の準備がいるじゃない。
「あ、ありがとうございます…」
「では来週からよろしくお願いします。あ、あと、もし、考えが変わって辞退される場合は連絡ください」
(辞退するのはなんか違うんだよなあ)
「わかりました。よろしくお願いします」
こうして、バイトが決まった。とりあえずやってみようの精神。たしかにビビってはいるが、背に腹は代えられない。
やるしかねえ。
散髪 -2000円
履歴書 -200円
証明写真 -600円
カミソリ -100円
パーキング代 -100円
バイト計 -3000円
パチンコ
面接の後、時間をもて余した僕は1万円を握りしめてパチ屋へ向かった。
なにせ今の僕には流れがある。
最近の連勝、バイトの採用、世の中が僕を中心に動いているような気がする。きっと、バナージも頷いてくれるはずだ。
いつものレバブル、先読みで。
投資4000円、突然の赤い彗星ゾーンからのVSフロンタル。先読み、レバブルなし。まあこれは余裕で外れた。
しかし、その直後に点滅保留+先読み。
保留変化と共に
ブルブル頂きました。
やっぱり流れキテるわ。
いや逝くでしょー
大丈夫。
ほら
ほらほら
え?
これが僕の骨だ。
いれてすぐイっちゃた・・・。
もう、帰ろっかな・・・。
源ライト打つか。
まあ残高の6000円だけ。それ溶かしても1500円は勝ち。溶ける気はせんけど。
そして、気付いたら僕はハナハナを叩いていた。
もはやチンチンになっている。
すごいね、新しいハナハナって。めっちゃバイブするし、大きいのでも200枚くらいしか出らんし。
だるっ!!!
【第8回】1万円チャレンジ
ユニコーン +7500円
源さんライト -10000円
ハナハナ -7000円
結果 -9500円
通算 8戦3勝5敗 -31400円